2010年 12月 24日
公園で遊んでいると保育園の子達の外遊びと遭遇することがある。 中にはとても人懐っこい子が必ず1人や2人混じっていて、 こちらが話しかけなくても色々話してくれたり豆と遊んでくれたりする。 この日もそんな子が1人。 豆のことを可愛い可愛いと言って、ほっぺたをなでなでする。 保育園のボールを貸してくれて一緒にボール遊びをしたり、 見ててと言って向こうに駆け出して椿の木にのぼると 蕾を取って来て、はいっと豆の手のひらにのせた。 弟か妹がいるのかなぁと聞いてみると4人兄弟の末っ子だという。 そこから家族の話になり。 「6人家族でお父さん、お母さん・・」と順に話してくれるのを ふんふんうなづいていたら、 その子がさらっと、「でもお父さんは死んじゃったけどね、海で。」 と言ったのだ。 彼の親友らしき男の子も後ろから 「あの時は先生たちもみんなもいっぱい泣いたよなー。」と。 私はしばし言葉を失った。 6人家族の6人の中にお父さんがちゃんと入っていることの まっすぐさとせつなさ。 すぐに別の遊びを始めてしまったので話はここで終わりになり、 私たちはそのことについてこれ以上誰も何も言わなかった。 そして、ボールをけったり、砂に木の枝で絵や文字を描いたりして遊んだ。 明るく楽しそうに見える彼の、豆に優しい彼の、その悲しみは いったいどこにいくのだろう。 私は少しの間その公園で、名前しか知らない彼の人生に幸あれと 祈るような気持ちになった。
by tayutai
| 2010-12-24 18:00
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